簡単にわかる「ニーベルングの指環」あらすじと相関図|ワーグナー

ワーグナーの4部作「ニーベルングの指環」を7枚の図で簡単に解説します。ニーベルングの指環は、ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏の4作品からなります。

長時間に及ぶ作品なので難しい作品として知られていますが、2つのポイントに気をつけると理解しやすいです。

  • 指輪の行方を把握する
  • 各作品ごとに主要人物が変わる
目次

「ニーベルングの指環」の基本情報

ニーベルングの指環 Der Ring des Nibelungen

  • 作曲 ワーグナー
  • 原作 北欧神話「ヴォルスンガ・サガ」、古代北欧歌謡集「エッダ」、ドイツ叙事詩「ニーベルンゲンの歌」他
  • 台本 ワーグナー
  • 言語 ドイツ語
  • 上演時間 およそ15時間(4日間で上演される)

まずは、ニーベルングの指環の全体像を押さえましょう。物語全体で重要な人物は、ヴォータン、ブリュンヒルデ、ジークフリートです。

下の相関図は、ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏に登場する人々の相関図になります。

ニーベルングの指環の相関図

ニーベルングの指環とは、ライン川にある黄金を巡ってヴォータンとアルベリヒが引き起こした問題を、それぞれの子孫が後始末をつける話です。最終的に、指輪はブリュンヒルデの死をもってライン川に返されます。

ニーベルングの指環の説明図

ヴォータンとアルベリヒが引き起こした問題とは以下の通りです。

アルベリヒ…ラインから黄金を盗んだ。黄金から作り出した指輪に呪いをかけた。
ヴォータン…(オペラ前)世界樹の枝を折り、世界を支配するための槍の柄を作った。世界樹を傷つけたことで、枯れ始めた。(本編)アルベリヒから指輪を奪った。

世界樹…北欧神話に出てくる神聖な木。

ニーベルングの指環・序夜・ラインの黄金

楽劇「ラインの黄金」の相関図

主要人物

アルベリヒ…ライン川から黄金を盗む
ヴォータン…アルベリヒから指輪を奪う
ローゲ…盗みを提案する

あらすじ

ラインの乙女たちがラインの川底で黄金を守っている。その黄金をアルベリヒが盗む。アルベリヒは黄金を盗む代償として、愛のない一生を選ぶ。彼はラインの黄金を指輪に変える。

その頃、ヴォータンは巨人たちに作ってもらった神々の城の代金支払いに困っている。ヴォータンはローゲの策略に乗って、アルベリヒから彼の財宝と指輪を奪い取る。恥をかかされ、すべてを奪われたアルベリヒは、指輪に呪いをかける。

城の代金として、ヴォータンから巨人兄弟に指輪が渡される。呪いにより、兄弟争いが起きてしまう。指輪は巨人族の弟ファーフナーが手にした。

「ラインの黄金」のあらすじ

ニーベルングの指環・第1日・ワルキューレ

楽劇「ワルキューレ」の相関図

主要人物

ヴォータン…指輪を取り戻せるように人間との間に双子を作る
ジークムント…指輪のために生まれた、ヴォータンの息子
ブリュンヒルデ…ジークムントとジークリンデのために奔走する

ブリュンヒルデ

「ワルキューレ」Die Walküreとは、9人娘のワルキューレたち(ブリュンヒルデと8人)のことではなく、ブリュンヒルデだけを指します。もし「ワルキューレたち」ならば、Die Walkürenになります。私に注目して作品をみてね。

あらすじ

オペラ前の出来事

ヴォータンは契約に縛られているため、巨人族のファーフナーから指輪を奪えない。彼は指輪のために、双子の兄妹を作る。ジークムントとジークリンデは幼いころに生き別れになった。

本編

双子の兄妹は再会して、恋に落ちる。ヴォータンはジークムントが指輪を手に入れることを期待して、彼が神の力が宿った剣を手に入れるように準備していた。ジークムントはヴォータンの準備通りに剣を手に入れる。

ヴォータンは自分の娘ブリュンヒルデにジークムントを守るように命じる。だが、彼は妻で結婚の神でもあるフリッカに説教されて、ジークムントに死を与える決定を下す。ヴォータンはブリュンヒルデにジークムントに死を与えるように命じ直す。

ブリュンヒルデは二人の愛に感激して、ヴォータンの命令を破る。ヴォータンの手でジークムントは死ぬ。そのときに、剣が折れる。ジークリンデは折れた剣を持ち、子供を宿して逃亡する。ブリュンヒルデは罰として、炎の中で男に目覚めさせられるまで眠る。

「ワルキューレ」のあらすじ

ニーベルングの指環・第2日・ジークフリート

楽劇「ジークフリート」の相関図

主要人物

ジークフリート…ジークムントとジークリンデの息子
ミーメ…育ての親であり、指輪を狙っている
さすらい人(ヴォータン)…指輪の傍観者

あらすじ

オペラ前の出来事

ジークリンデは男の子を産んで死ぬ。彼女はミーメに子供を託す。

本編

ミーメのもとで、生意気な青年に成長したジークフリート。彼はミーメを嫌っており、本当の出自を聞き出す。彼はミーメから両親が残した折れた剣を受け取り、その剣を一本に仕上げ直す。

ジークフリートは、大蛇(ドラゴン)に変身していたファーフナーを殺す。大蛇を殺した血をなめたことで鳥の声がわかるようになる。鳥の忠告により、ミーメが自分に殺意を持っていることを知る。ミーメを殺害する。鳥の忠告により、ブリュンヒルデのいる岩山を目指す。

ジークフリートは、炎の中にいるブリュンヒルデを目覚めさせる。

「ジークフリート」のあらすじ

ニーベルングの指環・第3日・神々の黄昏

楽劇「神々の黄昏」の相関図

主要人物

ブリュンヒルデ…指輪をライン川に戻す
ジークフリート…力と度胸はある
ハーゲン…アルベリヒの息子、指輪を狙う

あらすじ

ジークフリートは武勲を立てるために、岩山から出発することにした。彼はブリュンヒルデからあらゆるものを受け取るが、何も覚えられない。彼が忘れないと誓ったのは、ブリュンヒルデが彼のために生きていること、ブリュンヒルデを忘れないこと。彼は愛の証としてブリュンヒルデに指輪を与える。

アルベリヒの息子ハーゲンはギービヒ家の兄妹を利用して、ジークフリートに近づく。ジークフリートは忘れ薬を盛られてしまい、ブリュンヒルデを忘れてしまう。彼はギービヒ家の妹に恋をする。ギービヒ家の兄のために、岩山に戻る。ギービヒ家の兄に変装したジークフリートは、ブリュンヒルデから指輪を奪う。

ブリュンヒルデは岩山からギービヒ家に連れてこられる。ジークフリートはブリュンヒルデを覚えていない。彼女は怒りを爆発させ、ジークフリートの背中が弱点であると、ハーゲンに教えてしまう。

ハーゲンに背中を刺され、ジークフリートは死ぬ。ブリュンヒルデは彼の遺体から指輪を取る。遺体を燃やして、自らも炎に入る。灰の中にある指輪をライン川が飲み込む。

「神々の黄昏」のあらすじ

ニーベルングの指環の地図

ニーベルングの指環の復習になるかもしれない、地図。赤の矢印が指輪の移動です。

ニーベルングの指環の地図

ニーベルングの指環 …今ここ。

目次