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カヴァレリア・ルスティカーナ|原作のあらすじ

カヴァレリア・ルスティカーナ|原作のあらすじ

オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」を見ていて、気になったことはないですか?

そもそもトゥリッドゥは、サントゥッツァを一度でも愛したことがあったのか?
村の人は、トゥリッドゥとローラの浮気を知っていたのでは?
サントゥッツァは、身寄りのない娘なのか?

ジョヴァンニ・ヴェルガの原作からわかったことは、下の通り。

原作では、トゥリッドゥがサントゥッツァを利用したことがわかるように表現されている。
村の人は、トゥリッドゥとローラの浮気を知っていた。
サントゥッツァは、ローラ宅の前に住む、金持ちの娘。

オペラのトゥリッドゥはくずですが、原作のトゥリッドゥは、輪を掛けて酷いヤツでした。原作を読んで救われたのは、サントゥッツァが金持ちの娘だったこと。

イタリア語で読むなら、こちらからどうぞ。Cavalleria rusticana

目次

「カヴァレリア・ルスティカーナの原作」あらすじ

トゥリッドゥは兵役から戻った後、狙撃兵の服に身を包み、気取った態度で広場に現れた。それは、ローラの気を引くためだった。彼女はトゥリッドゥと恋仲だったが、彼の兵役中に金持ち男アルフィオと婚約していた。トゥリッドゥはアルフィオを痛めつけたいと息巻く。彼女の住む窓辺に向かって、軽蔑の歌を全部歌って憂さ晴らしをした。

近所の人々から「トゥリッドゥは、夜な夜な雀のように歌っている。」と思われていた。

トゥリッドゥは、旅から帰ってきたローラとやっと会うことができた。

ローラ
あんたが月の初めに帰ってきたって聞いたわ。

トゥリッドゥ

俺は別のことを聞いた。別の男の妻になるって!

ローラ
神のおぼしめしですから。

トゥリッドゥ

ずいぶんと都合のいい、おぼしめしだな。俺が兵役から帰り、この悪い話を知ったのもおぼしめしってことか!

ローラ
仲間の所に戻るので、私から離れてくれない?あんたと一緒じゃ、村の人に何を言われるかわかったもんじゃない。

トゥリッドゥ

そうだな。結婚するんだからな。彼は金持ちだ。うちは、俺が兵役に行っているときに、さらに貧乏になった。友情の日々は終わった。

ローラは、馬車屋と結婚した。日曜日になると、彼女はバルコニーに立ち、金の指輪を見せびらかした。やけっぱちになった、トゥリッドゥは路地をうろついた。アルフィオを心の中でうらやんだ。

トゥリッドゥ

あの女を懲らしめてやりたい。

トゥリッドゥは、金持ちの娘を利用する

アルフィオとローラが住む家の近くには、これまた金持ちの男が住んでいた。その金持ち男には一人娘がおり、名はサントゥッツァ。トゥリッドゥは金持ちの家に入り込み、家の周りをウロウロして、少女に甘い言葉をかけるようになった。

サントゥッツァ

甘い言葉は、ローラに言ったら。

トゥリッドゥ

ローラは王様と結婚したよ。あんたにはローラの100人分の価値がある。

サントゥッツァ

キツネがブドウに手が届かなくなったとき。

トゥリッドゥ

言いましたとさ。あんたはかわいい。

父親が嫌な顔をしたが、サントゥッツァは気がつかぬふりをした。父親がトゥリッドゥに自宅への出入りを禁止した。サントゥッツァは窓を開け放ち、ふたりは毎晩窓辺で会話した。

近所中がふたりの交際を噂するようになった。

ローラを嫉妬させ、元さやに戻る

近所に住んでいるローラは、ふたりを毎晩見ていた。ローラは、トゥリッドゥに声をかけた。

ローラ
親愛なるトゥリッドゥ、旧友はもう挨拶をしないの?

トゥリッドゥ

あんたに挨拶出来るって、幸福だよ!!

トゥリッドゥは、たびたびローラの家を訪れるようになった。ローラの夫は、仕事で家を空けていた。サントゥッツァは二人の様子に気がつき、窓をしっかりと閉めるようになった。

村の人々も、トゥリッドゥとローラの浮気に気がついた。

ローラ
日曜日に告解に行くわ。黒い葡萄の夢をみたから。

トゥリッドゥは「やめてくれ」と言うが、ローラは教会に行く。サントゥッツァも懺悔に来ていた。

ふたりの不倫をローラの夫に知らせる

ローラの夫が、たくさん金を稼いで帰ってきた。サントゥッツァは、ローラの夫を呼び止めた。

サントゥッツァ

奥さんに、素敵なみやげを渡すのは当たり前よね。ローラは、あんたが家を明けているときに、あんたのために家を飾っていたんだから。

ローラの夫
見てもないことを言いやがったら、ただじゃすまないぞ。

サントゥッツァ

夜にトゥリッドゥが、あんたの奥さん家に入っていくのを見たのよ。

ローラの夫は礼を言い、去った。

復活祭の前の晩。トゥリッドゥが仲間と飲んでいる。アルフィオが入ってくると、その視線だけで彼がある用件で来たことを理解した。ふたりは、明日に決闘することになった。トゥリッドゥはローラの夫の耳を噛み、神聖な約束をした。

仲間たちはトゥリッドゥを家まで送り、家には帰りを待つ母親がいた。

トゥリッドゥ

母さん。俺が兵隊に行ったとき「もう戻らないような気がする」と言ったね。あの時みたいに、素敵なキスしてくれ。明日、俺は遠くに出かけるんだ。

決闘、トゥリッドゥの死

夜明け、トゥリッドゥは飛び出しナイフを握りしめ、決闘場所を目指した。アルフィオも出かけるところを、ローラに呼び止められた。ローラは狼狽していた。

ローラ
どうしたのよ。そんなに急いで。

ローラの夫
ちょっとそこまで。でも、俺が帰ってこない方がお前にはいいかもな。

夫が出かけた後、ローラは祈りを捧げた。

トゥリッドゥとローラの夫は、決闘場所として決めた場所に来た。

トゥリッドゥ

俺が悪いのは、わかっているさ。でも、母親を泣かせないために、お前を犬のように殺してやる。

ローラの夫
それでいいさ。

二人は戦う。アルフィオがトゥリッドゥの腹や喉に一撃を加えた。

ローラの夫
3発目だ。

トゥリッドゥはサボテンの棘の間を転げ回っていたが、命がつきた。

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