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トゥーランドット【お聞き下さい王子様・泣くなリュー】歌詞と対訳|Signore, ascolta! Non piangere, Liù!

トゥーランドット【お聞き下さい王子様・泣くなリュー】歌詞と対訳|Signore, ascolta! Non piangere, Liù!

トゥーランドット第1幕

「お聞き下さい王子様」からカラフが銅鑼を3回叩くまでが「トゥーランドット」の中で一番盛り上がる場面です。

リュー

ご主人様、お聞き下さい。無謀な挑戦はおやめ下さい。あなたの父は息子を失い、私はかつて微笑んでくれたあなたの面影を失ってしまいます。

無謀な挑戦…トゥーランドットとの結婚を望む者が挑む、謎解き(死者多数)

悲しくて美しいリューのアリアへの返事が下です。

カラフ

(覚えていないけど)かつて君に微笑んだことがあったようだな。君さ、俺に好意があるんだよね?それなら、君の好意に甘えてもいいよね。

俺は別の女に一目惚れしたから、恋の道を選ぶ。自分の国は滅んだし、破れかぶれなんだ。死んでもいいくらいに!俺が死んだ後の尻ぬぐいはお前に頼む。俺の親の面倒を見てくれ。

という内容をプッチーニの凄腕作曲能力でドラマチックにまとめています。

カラフが謎解きに挑戦するのを止めようと、次々とコーラスが重なり、最後にカラフが挑戦の銅鑼を鳴らすところが、音楽的にカッコイイですよ。

目次

「お聞き下さい王子様・泣くなリュー」Signore, ascolta! Non piangere, Liù!【歌詞と対訳】

Signore, ascolta!
Ah, signore, ascolta!
Liù non regge più,
si spezza il cuor!

Ahimè,ahimè, quanto cammino
col tuo nome nell’anima,
col nome tuo sulle labbra!

Ma se il tuo destino,
doman sarà deciso,
noi morrem sulla strada dell’esilio.

Ei perderà suo figlio …
io l’ombra d’un sorriso.
Liù non regge più!

リュー

ご主人様、お聞き下さい
ああ、ご主人様、お聞き下さい!
リューはもう耐えられません
胸が張り裂けます!

哀れに、哀れなことに、どれほど歩いたのか
自分の魂に、あなた様の名前を抱いて
あなた様の名前を口にして

ですが、もしあなた様の運命が
明日に決まりますなら
私たちは放浪の道で死ぬでしょう。

あの方は息子を失います…
私は微笑みの面影を。
リューはもう耐えられません。

Non piangere, Liù!
Se in un lontano giorno
io t’ho sorriso,
per quel sorriso,
dolce mia fanciulla,
m’ascolta: il tuo signore
sarà domani, forse, solo al mondo…

Non lo lasciare,
portalo via con te!

カラフ

泣かないで、リューよ!
遠い日に
私があなたに微笑んだのなら
その微笑みのために
可愛い娘よ
聞いてくれ、お前の主人は
明日に、恐らく、世界に一人になるだろう…

彼(父)を見捨てないでくれ
彼を連れて行ってくれ!

Noi morrem sulla strada dell’esilio!

リュー

私たちは放浪の道で死ぬでしょう。

Noi morrem!

カラフの父・ティムール
私たちは死ぬだろう!

Dell’esilio addolcisci a lui le strade!
Questo … questo, o mia povera Liù,
al tuo piccolo cuore che non cade,
chiede colui che non sorride più.

カラフ

彼(父)のために、放浪の道を楽にしてやってくれ!
これは…これは、私の可哀相なリューよ
くじけることのないお前の小さな心に
もう微笑んでいない者がお願いするのだ

Ah! Per l’ultima volta!

カラフの父・ティムール
ああ!これで最後だ!

Vinci il fascino orribile!

リュー

恐ろしい誘惑に打ち勝って下さい!

La vita è così bella!

3人の大臣・ピン ポン パン
生きることはとても素晴らしいのだぞ!

Io vedo il suo fulgido volto! La vedo!
Mi chiama! Essa è là!

Il tuo perdono chiede colui,
che non sorride più!

カラフ

彼女(トゥーランドット)の輝かしい顔を見た!彼女を見たのだ!
彼女が私を呼んでいる!あそこにいる!

お前(リュー)に許しを求めているのだ。
もはや微笑んでいない者が!

Non voglio staccarmi da te!
Pietà! Pietà!
Mi getto ai tuoi piedi gemente.
Abbi pietà!
Non voler la mia morte!

カラフの父・ティムール
私はお前から離れたくはないのだ!
慈悲を!慈悲を!
私はお前の足元に嘆きながら身を投げ出すぞ。
憐んでくれ!
私の死を望まないでくれ!

Su, portalo via quel pazzo!
Trattieni quel pazzo furente!

Folle tu sei! La vita è bella!

3人の大臣・ピン パン ポン
さあ、その愚か者を連れて行け!
その狂った男を引き止めるんだ!

お前は愚か者だ!生きることは素晴らしいのだ!

Lasciatemi …
… ho troppo sofferto!
La gloria m’aspetta laggiù.

Forza umana non c’è che mi trattenga.
Io seguo la mia sorte.

カラフ

放してくれ…
…私は苦しみすぎたのだ!
栄光が私を待っているのだ

どんな人間の力も私を止めることはできない。
私は自分の運命に従う。

Il volto che vedi è illusione,
la luce che splende è funesta.
Tu giochi la tua perdizione,
tu giochi la testa.

La morte, c’è l’ombra del boia laggiù.
Tu corri alla rovina!
La vita non gíocar!

3人の大臣・ピン パン ポン
お前が見ている顔は幻想だ
輝く光は致命的なのだ
お前は自分の破滅を演じている
お前は自分の首をもてあそんでいる

死だ。死刑執行人の影がそこにあるのだ
破滅に走るのか!
命を遊びにするな!

Tu passi su un povero core
che sanguina invano per te!
Nessuno ha mai vinto, nessuno.
Su tutti la spada piombò.

Mì getto ai tuoi pìedì
non voler la mia morte.

カラフの父・ティムール
お前は哀れな心を踏み越えていくのか
お前のために無駄に血を流しているのか!
誰も勝ったことはないのだぞ、誰も
彼ら全員に剣が振り下ろされたのだ

私は、お前の足元に身を投げ出そう
私の死を望まないでくれ

Pietà! Pietà di noi!
Se questo suo strazio non basta, signore,
noi siamo perduti con te!
Ah! fuggiamo, signore, ah! Fuggiamo!

リュー

慈悲を!私たちにお慈悲を!
あなたの父上の苦しみが足りないのなら、ご主人様
私たちはあなたと一緒に死ぬでしょう!
逃げましょう。ご主人様!ああ 逃げましょう!

Son tutto una febbre,
son tutto un delirio!
Ogni senso è un martirio feroce.
Ogni fibra dell’anima ha una voce che grida.

カラフ

私のすべてが情熱に燃えている!
私のすべてが陶酔している!
あらゆる感覚が猛烈に苦しんでいる。
魂のすべてが、ある叫び声を持っているのだ

La fossa già scaviam per te
che vuoi sfidar l’amor.
Nel buio c’è segnato, ahimè!
Il tuo crudel destin!

群衆(コーラス)
私たちはお前のための墓の穴を掘っているぞ
愛に挑戦しようとする人よ
暗闇に記されているぞ、悲しいかな!
お前の残酷な運命は!

… Turandot! … Turandot! … Turandot! …

カラフ

トゥーランドット!トゥーランドット!トゥーランドット!

カラフは銅鑼を三度鳴らす

La morte!
La fossa già scaviam.

群衆(コーラス)
死だ!
もう墓の穴を掘っているぞ。

【解説】カラフは、3つの謎を解ける自信があったわけではない

il tuo signore sarà domani, forse, solo al mondo…

お前の主人は明日に、恐らく、世界に一人になるだろう…

トゥーランドット姫の謎解きは、これまで成功者がいなくて(成功者がいたら、謎解きは終了)、王子たちの死者が多く出ています。歌詞を見てみると、「自信満々で挑戦する」というより、「国を失い、破れかぶれで、苦境を打ち破るために挑戦する」というイメージでしょうね。

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