オペラ「ジャンニ・スキッキ」台本の簡単な対訳

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オペラ「ジャンニ・スキッキ」全1幕の対訳

フィレンツェの大金持ち、ブオーゾの寝室

1299年、フィレンツェの大金持ちブオーゾが亡くなり、親戚一同(リヌッチョと7人)が集まってきた。大げさに嘆き悲しんでいる。彼らの本当の関心はブオーゾの残した莫大な遺産だ。

親戚
「ブオーゾは自分が死んだら、全財産を修道院に寄付する」という、遺言状を書いた…らしいぞ。

親戚のひとりが聞いた町の噂話に、一同は仰天。

親戚
遺言状が公証人の手元にあれば、なにもできない。だが、この部屋の中に遺言状があれば、我々にも望みがある!

彼らは遺言状を求めて部屋の隅々まで探した。

リヌッチョ

あったぞ!ブオーゾの遺言状が!助かったぞ。皆さん、僕にご褒美をください。スキッキの娘、ラウレッタとの結婚を認めてくれますね?

親戚
そのことは後にしよう。今は遺言状が先だ。

ツィータ

すべてうまく終われば、好きに結婚すればいいわ。

リヌッチョとラウレッタの結婚…親戚の中で強く反対しているのは、ツィータ(リヌッチョの伯母)

見つけた遺言状は、親戚に取り上げられる。リヌッチョは、少年(親戚の子供)にこっそり頼む。

リヌッチョ

スキッキとラウレッタを呼んできて。

遺言状をみてみると、噂話通り「財産は修道院に寄付する」と書かれていた。落胆する親戚たち。

リヌッチョ

一人だけいるよ。この窮地を救えるのは、ジャンニ・スキッキ。

親戚
「ジャンニ・スキッキの名前は聞きたくない」
「スキッキが来たら、痛い目にあわせてやる」
「田舎から来た者と親戚になるなんていやだ」

リヌッチョ

スキッキは賢く頼りになる人だ。田舎出身だからと偏見はよくないよ。

フィレンツェは、花咲く木のように繁栄してきたんだ。新しい人たちを迎え入れて繁栄してきたんだ。新しい人、ジャンニ・スキッキを迎えよう。

「フィレンツェは花咲く木のように」Firenze è come un albero fiorito

歌詞と対訳

「フィレンツェは花咲く木のように」Firenze è come un albero fiorito|ジャンニ・スキッキ

歌詞の中に、フィレンツェの名所や有名人の名前が出てきます。名所を写真で簡単に紹介。

皆はしぶしぶ、スキッキにこの問題について相談することにした。

スキッキとラウレッタが、やって来る。スキッキは、親戚がブオーゾの財産目当てだとわかっている。

スキッキ

お悔やみを…失うものがあれば、得られるものもある。遺産がね!

ツィータ

財産は修道院に寄付すると書かれていたのよ!

やっぱりあんたの話なんて聞きたくないわ。出てお行き!持参金なしに、あんたの娘とリヌッチョは結婚させないよ!

スキッキは怒って、ラウレッタを連れて帰ろうとする。リヌッチョは叔母のツィータに抗議する。

リヌッチョ

ちょっと待って。彼に遺言状を見てもらおう。

スキッキさん。僕とラウレッタを助けると思って、この問題を解決する驚きのアイデアを考えてください。

スキッキ

嫌だ、お断りだ。こいつらの懐に金が入るだけだ。

ラウレッタ

私のお父さん、彼が好きなの。もし結婚できなければ、橋から飛び降りるわ。どうか、お願い。

「私のお父さん」O mio babbino caro

歌詞と対訳

「私のお父さん」O mio babbino caro|ジャンニ・スキッキ

ラウレッタが、お父さんのスキッキを説得して問題を解決してくれるように頼みます。

スキッキ

仕方がない。遺言状を見せてくれ。…これは難しい。いや、待てよ。…ラウレッタは外に行きなさい。

ラウレッタ

わかったわ。

スキッキは、ラウレッタを部屋の外に出させる。残ったのは、ブオーゾの親戚たちだけ。

スキッキ

ほかに、ブオーゾの死を知っている人は?

親戚
亡くなったことを知る人はいない。

スキッキ

それならば、男たちは遺体を隠せ。女たちはブオーゾのベッドを整えろ。

遺体を隠したり、部屋を薄暗くしている途中で、医者が訪問してくる。

親戚
うわ、医者が来たぞ。

スキッキ

誰か彼を少し引き留めてくれ。

数人が医者が部屋に入るのを引き留める。その間に部屋を整える。

医者
ブオーゾさん。体調は良いですか?

スキッキ

(ブオーゾのふり)ああ、もう寝るところなんだ。夕方に出直してくれ。

スキッキがブオーゾの声色をまねて、医者を帰らせる。

スキッキ

私はブオーゾにそっくりだったかね?

親戚
そっくりだ。

スキッキ

ブオーゾになりすまして、遺言状を作り替えてしまおう!

親戚
これで遺産が手に入る!!

リヌッチョ

公証人を呼びに行ってくる!

親戚
財産はどうやって分けようか?現金や土地、農園がたくさんある。

ツィータ

そして、遺産の目玉は、この家とラバと粉ひき場!

親戚
「一番年長だから、私がもらおう。」
「いやいや、それはダメよ。」
「自分だけ、得をしようとして!」

スキッキ

(この親戚は、いつまで仲良くやっていられるかな。)

親戚
「財産の分け方は、スキッキに任せよう。」
「それがいいな。」

スキッキのアイデアに浮かれるの親戚たちに、スキッキは釘を刺す。

スキッキ

皆さん、くれぐれもご注意を。告知が出ています。他人になりすまし、勝手に遺言状を書き換えた者とその共犯者たちは、手を切断され、フィレンツェを追放になります。

さらば、フィレンツェ、手のない腕で別れを告げよう。

「さらば、フィレンツェ」Prima un avvertimento

歌詞と対訳

「さらば、フィレンツェ」Prima un avvertimento|ジャンニ・スキッキ

歌詞に出てくる「手のない腕」と「ギベリン」とは?

部屋を暗くして、スキッキがベッドに入ると、公証人たちが到着する。スキッキは財産を親戚たちに渡るように、遺言を言っていく。残るは、遺産の目玉の「家とラバと粉ひき場」になった。

スキッキ

家とラバと粉ひき場は、わしの親友のスキッキに。

親戚
(小声で)なんだって!許さない、スキッキ!

親戚らが怒りそうになるので、「さらばフィレンツェ」を歌う。

スキッキ

さらば、フィレンツェ、手のない腕で別れを告げよう。

親戚
…!!(遺言書の偽造がばれたら困る。)

スキッキ

最後に、ツィータや。公証人たちにお礼のお金を払ってくれ。

ツィータ

(公証人にお金を渡す)ご苦労様です。

スキッキ

もっと彼らにお礼をしてくれよ。ツィータ。

ツィータは仕方なく払う。公証人たちは帰っていく。

親戚
スキッキ、なんてことをしたんだ!

スキッキ

この家は私のものだ。みんな、出ていくんだな!

怒りながら出ていく親戚たち。一方でリヌッチョとラウレッタは幸せに浸る。スキッキが観客に向かって言う。

スキッキ

ブオーゾの遺産分けでよい方法が他にあるでしょうか。この奇抜な計画のために、私は地獄に落ちるでしょう。でも、皆様がお楽しみいただけたなら、お許しを!

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